coincheck Blog

coincheckの最新情報をお届けします。coincheckスタッフが、新機能、キャンペーン、ビットコイン情報などを発信

ビットコインの仕組み1 - 通貨ってナニ?通貨に必要な性質とは?


ビットコインの仕組みシリーズ

ビットコインの仕組みシリーズでは、ビットコインの仕組みを分かりやすく、丁寧に1つずつ解説していきます。

  • ビットコインの仕組み1 - 通貨ってナニ?通貨に必要な性質とは?
  • ビットコインの仕組み2 - たった1つの良い方法は、Winnyが知っていた。取引の履歴を全員で共有する。
  • ビットコインの仕組み3 - 誰がコインを作るのか?新しくコインを生み出す、プルーフオブワーク
  • ビットコインの仕組み4 - 二重譲渡を防ぐ、ブロックチェーン

世界中で爆発的に普及しているビットコイン

ビットコインは、政府等の中央機関が発行量、流通量を管理せずに、総流通総額が2013年に1兆円を突破した、世界で初めての通貨です。
一体、なぜビットコインはこのように爆発的に普及するようになったのでしょうか? それを明らかにする為に、まずはビットコインの事を正しく理解していきましょう。

通貨に必要な性質とは?

一般的に、通貨(貨幣)が満たすべき機能は下記の3つがあります。

f:id:bitcoin_picks:20140915191212p:plain


  • 決済(流通)機能
    • 交換の媒体になる機能のことです。計量可能な物と貨幣を相互に交換することで、容易に取引を実現出来ます。
  • 価値尺度機能
    • 貨幣は、計量可能な物(財)の交換価値を表す尺度となる必要があります。
  • 価値貯蔵機能
    • 現実世界の物は、時間が過ぎるとその価値を失ってしまう(食料、建物、等)ことがあります。一方、日本円それ自体は、保存や銀行に預金することにより、価値を貯蔵することが出来ます。

もちろん、日本銀行が発行している日本円は、上記3つの性質を満たしています。 さて、ビットコインはどのような仕組みを用いることによって、上記3つの機能を実現しているのでしょうか?

価値尺度機能は容易に実現が可能

上記の3つの機能のうち、価値尺度機能に関しては、実現することは難しく有りません。 ビットコインはそれ自体がデジタルデータなので、その数量を数字で表現することが出来ます。 この値の多寡により、価値尺度の機能を表現する事が出来ます。



価値貯蔵機能と決済機能は?

他の2つの機能を実現する為に、どのような事が必要か考えてみましょう。

価値貯蔵機能

A . 価値を貯蔵する為に、ある通貨の所有者を証明をする機能が必要
B . ある所有されている通貨を所有者以外が使用する事を禁止する機能が必要

f:id:bitcoin_picks:20140915191312p:plain



決済(流通)機能

C . ある通貨を、他人へ送付する機能が必要
D . ある通貨を、複数の所有者に同時に送付出来ない(二重譲渡を禁止する)機能が必要
E . ある通貨が偽物ではない事を証明する機能が必要

f:id:bitcoin_picks:20140915192038p:plain




想像以上に、沢山の機能が必要。。


上記をご覧になって、どのような感想を持たれたでしょうか? やはり扱うものが通貨だけあって、色々な可能性を考慮した、不正防止の為の沢山の機能が必要だと言う印象を抱いた方が多いのではないかと思います。

現実世界の金融機関と政府は、様々な仕組みを利用して上記を厳格に実現しています。 例えば国は、通貨偽造を刑法において重罪にすることにより、偽造通貨が蔓延するのを防いでいます。

通貨の機能を全て実現する為には?

実は、上記の機能を全て実現する良い方法があります。

それは、

  • 絶対に誰にも改変されない、通貨の移動に関する履歴を作る

  • 新規に発行した全ての通貨を記録する

という2つの記録を作る方法です。

こうすると、A, C, D, Eは実現され、Bに関しても、金融機関が個人認証・セキュリティ認証を行うことによって、カバーする事が出来ます。

実際に、現実世界の金融機関は厳格な金融システムと、「私達は顧客のお金を勝手に使用しません」という信用によって、上記を実現しています。

逆に言うと、管理された信用できる主体が存在することによってのみ、上記の方法でA, B, C, D, E全ての機能を実現する事が出来るのです。

では、信頼できる中央機関・管理機関が存在しないビットコイン・システムはどのような方法で、通貨の取引や決済を行っているのでしょうか?



その答えのカギは、日本で一時期有名となったソフトウェア - Winnyが握っていました。


=> 次回: ビットコインの仕組み - 取引の履歴を全員で共有する