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価格下落の真っ只中、成熟し始めているエコシステム


少しずつ成熟し始めてきたビットコイン

第3四半期も、ビットコインは様々な動きがあった。Coindeskがレポートをまとめているので、それをご紹介したい。

State of Bitcoin Q3 2014: Ecosystem Maturing Amid Price Pressure

この記事では、第3四半期のレポートからいくつかの主要な調査結果をピックアップしていく。全体的に、この四半期は「2つのビットコインの話」が特徴的だった。

  1. 大手のビットコインベンチャーの投資額が増えてきていること。
  2. 価格のトレンド

それでは、順に紹介させて頂きたい。

価格は、反発を交えた下降トレンド

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第2四半期では、私たちはビットコインを追いかけ続けている人達がこの大きい価格変動についてどのように感じたのかという点に注目した。

しかしながら、第3四半期での利益はCoinDesk storiesトップ10で注目されていた値段のほぼ2倍増加した(スライド20)。


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スライド20: 第3四半期、最も読まれたCoinDesk Stories トップ10の内、4つはビットコインの価格についてだった。

第4四半期は既に始まっているが、私たちはビットコインの値段が何回大きな変動を見せるのか予期できない。


第2四半期で上昇した価格は第3四半期で下落した

第3四半期では著しい価格変動が特徴的だった、第2四半期で39.4%上昇した後、第3四半期でビットコインの価格は第2四半期とほぼ同一の割合で下落した(スライド9)。

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スライド9: 第2四半期と第3四半期におけるビットコインの価格変動の比較

マクロ経済要因や規制に対する懸念、そして投機的な投資モメンタムの減少など、幅広い観点から、ビットコインの価格下落は説明されている。(スライド15)。

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スライド15: 第2四半期に起きたビットコインに関する出来事と価格変動

企業(例えばDELLなど)によるビットコイン決済の受け付け店舗数の増加は、それらの企業が決済手段として、ドルやユーロなどの通貨に対し清算を行うので、売り圧力を増やしている。(清算によってビットコインの価格は減少する可能性がある)

一方、現時点では価格に影響を与えるには少なすぎる取引量(Overstockの1日のビットコインの売りは約15000ドル)であるという見方もある。Bitstampのような取引所は1日に数百万ドルもの取引を捌いているからだ。

加えて、短期間で生じた差が商取引の需要不均衡につながることは事実だ。中期以上の期間における決済処理によるビットコインから兌換通貨のコンバージョンは兌換通貨からビットコインのコンバージョン値とコンシューマーのビットコイン消費量の間でバランスを取る必要がある(スライド13)。

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スライド13: ビットコイン取引のサイクル

ビットコインのスタートアップへの投資額は総額3億ドル超え

ビットコイン企業への投資額は第2四半期の7300万ドルを超えることはなかったが、第3四半期には新たに6000万ドルをビットコイン企業へと投資した。

今まで、第4四半期が始まってすぐに調達が実施されたBlockchain社の3050万ドルを含め2012年度から集まった総額3億1700万ドルと比べると、2014年度だけで投資額はその70%以上(2240万ドル)に達する勢いだ(スライド27)。

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スライド27: ビットコイン企業への投資について

2014年度の投資額は1995年度のインターネット黎明期を超える

マーク・アンドリーセン氏のようなベンチャーキャピタルはビットコインの可能性と1993年ごろのインターネットの発達の仕方を見比べていた。

私たちは現在、2014年で総額2億9000万ドルものお金をビットコイン企業に出資してもらえるよう動いている。

この図は2014年の投資額が1995年のスタートアップに投資された総額2億5000万ドルを超えるかもしれないという可能性を表したものだ(スライド32)。

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スライド32: ビットコイン vs 1995年のスタートアップ 出典: PricewaterhouseCoopers, National Venture Capital Association, CoinDesk, Dow Jones VentureSource, VentureScanner

2014年度のベンチャーキャピタルがビットコイン企業へいくら出資するかという予測値は2013年度の約3倍だと言われている。要するに、「巨額な資金」はビットコイン企業に向けて流れ続けるということだ。

更なる商取引と消費者の動き

ビットコインは、貨幣の三大機能における「価値保存機能」や、投機対象としてではなく、「交換媒体」として、より適合し始めている。

第3四半期、ビットコインでの取引額において Dell はビットコイン決済を導入し始めてから最も額が大きい(スライド44)。

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スライド44: ビットコイン決済を取り入れている企業でもっとも取引額が大きい順

Dell や Purse.io のような会社は本来の値段より10%~30%値下げすることで消費者にビットコインを消費する機会を提供している。

私たちは年度末までにビットコイン決済に対応した店舗がどれだけ増えるかグラフに表した(スライド42)。

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スライド42: 年度末までに増えると予想されるビットコイン決済対応店舗数

第三四半期までで120万ものビットコイン口座が開設された。第二四半期から21%の成長である。私たちは2014年度末には800万まで口座数が増えると予想している(スライド47)。

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スライド47: 2014年度末までに増えるビットコインの予想口座数

結論

ビットコインはスタートしてから年を重ねる毎に、少しずつ正しい適合の仕方を見つけつつあるように見える。 ビットコインのエコシステムの動きは、その影響の大きさから、金融関係者だけではなく、あらゆる商取引を行う人々がチェックしておくべきだろう。